埼玉県住宅供給公社

相続

数年前に母名義の土地を私名義に相続登記しました。最近、市から重要なお知らせがあったことを隣人を通じて知りました。相続後引っ越しましたが、住民票も異動してあったので、どうして私に直接お知らせが届かなかったのかと疑問に思っています。固定資産税等は、口座振替で引き落しされています。

市役所などの行政機関は、登記簿上の所有者住所をもとに通知を送ることがあるため、住民票の異動だけでは通知先が更新されないことがあります。住所変更登記がされていないことが原因で、連絡先が分からず、行政対応などが滞ってしまうことがあります。登記簿上の住所を最新のものに変更する「登記変更申請」を検討しましょう。
このようなことをふまえて、相続登記義務化に続いて住所等変更登記の義務化されることが、決定されていますのでご確認ください。

令和8年4月より、住所や氏名・名称の変更の日から2年以内に登記することが義務化されます。
義務化前(令和8年4月1日より前)の変更も対象となり、正当な理由なく義務に違反した場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。

※ 義務化前に住所や氏名・名称に変更があった場合は、令和10年3月末までに登記する必要があります

このことについて法務省のホームページに記載されていますのでご確認ください。
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00687.html

母親が亡くなり不動産(家屋・土地)を相続しました。法律が変わってすぐに登記しないとダメだと言われました。どのようなことですか。

2024年4月1日から相続登記が義務化されました。
今まで、相続登記の期限が定められておらず罰則がありませんでしたが、不動産を相続したことを知ったときから3年以内に登記しなければ、ペナルティーとして10万円以下の過料が科されることになります。
義務化の施行日(令和6年4月1日)以前に発生していた相続にも遡及して適用されますので注意が必要です。

地方にある実家を相続で取得しました。家を取り壊し土地を売却しようとしましたが、不動産業者に取り扱ってもらえず困っています。不要な土地を国に返還できるようになったと聞いたのですが、どのような制度ですか。

相続により取得した不要な土地が放置され「所有者不明土地」が増え続けることを予防するため、一定の要件を満たす場合に土地を手放し国庫に帰属させることを可能とする「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月より始まりました。
この制度は、相続や遺贈により取得した不要な土地を、法務局の審査と実地調査を経て国へ引き渡すことができる仕組みです。対象者は相続人または相続人への遺贈を受けた方で、申請先は土地の所在する法務局本局です。審査手数料と負担金の納付が必要で、納付完了後に所有権が国へ移転されます。ただし、建物がある土地や汚染・境界不明・権利関係が複雑な土地は対象外です。申請は予約制の相談から始まり、必要書類の作成と提出、そして法務局による審査を経て帰属可否が決定されます。所有権移転登記は国が行い、国庫に帰属した土地は国が管理・処分します。相談者の所有する土地が該当するかは、土地が所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)にご確認ください。

相続土地国庫帰属制度の概要について法務省のホームページに掲載されていますので確認してみてください。

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00457.html#mokuji6

私は、父親と父親名義の住宅に同居していましたが、先日父親が亡くなりました。 私は相続放棄をすることも考えていますが、仮に相続放棄をしても、私には住宅(土地と建物)を管理する責任がある、と知人から教えられました。どういうことですか。

2023年3月までは、民法第940条第1項で「相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となったものが相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。」と規定されていました。
つまり、相続放棄の手続きとしての相続放棄申述書を家庭裁判所に期日までに提出していたとしても、次順位の相続人が相続財産の管理を始めるまでは、或いは、相続財産管理人が選任されるまでの間は、自己の財産と同一の注意義務をもって管理する義務がありました。
しかし、2023年4月から以下のとおり改正されました。
「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」
つまり、管理する義務者を『現に占有』している場合だけに限定されることとなったわけです。この『占有』については、相談者のように相続時点で被相続人と被相続人名義の住宅に同居していたことから、『占有』していたと判断される可能性が高いと思われますし、その他「鍵を預かっている」、「自身の荷物を住宅に置いている」といったことも該当する、と考えられていますので、その場合には、保存義務を負うことになるでしょう。
なお、この保存行為については、財産を滅失し又は損傷しない程度の内容であればよく、内容としては樹木の剪定や草刈りなど庭の手入れや外壁や屋根の簡単な修理をする、といったものですし、住宅の損壊などで他人に怪我を負わせた場合には、その賠償責任が生じます。
そして、この期間は、相続人又は相続財産の清算人に対して「相続財産を引き渡すまでの間」に限られます。
また、仮に相続放棄の手続きをしたとしても、別の相続財産を処分していた場合、例えば被相続人が借りていたテナントの賃貸借契約の解除を申し入れて敷金などを受領すること、ある程度以上の金額の形見分けをすること、高額な時計や自動車を売却といった場合には、単純承認(相続)したものとみなされることがありますので、注意してください。

15年前に死亡した父親名義の不動産(土地)が、他県にあります。相続人は私と兄ですが、兄とは昨年亡くなった母親の介護の関係で不仲となり、遺産分割協議ができませんでしたので、相続登記をしていません。令和6年4月1日から不動産登記法が改正されて、相続登記が義務付けられたと聞きました。どうしたらいいですか。

相続登記は、相続開始後3年以内に登記することが義務付けられ、これを怠ると過料(10万円以下)に処せられますことがあります。これは、令和6年4月1日以前の相続についても遡及されますので、気を付けてください。
本事案のように遺産分割協議が整わない場合に上記罰則を免れるには、次の方法があると思われます。
① 相続人申告登記制度を利用します。
相続人申告登記制度は不動産登記法の改正により新たに設けられた制度で、相続開始後3年以内に遺産分割協議が整わない場合は、相続人が登記名義人について相続が発生したことや自らが登記名義人であることを届け出る、というものです。
なお、これは届け出た者について罰則が適用されないので、相続人全員の届出をしておくことが適当だと思われます。
② まず、法定相続人の法定相続分での相続登記を行い(法定相続人1人でも可)、その後、遺産分割協議が整ったときに当該財産を相続すると決まった者(登記権利者)が単独で更正登記を行うことができます。
なお、法定相続人1人での申請の場合は、登記識別情報がこの申請者にのみ通知されることになりますので、その他の法定相続人がいれば、知らせておくことも必要です。
いずれにせよ専門家である弁護士や司法書士によく相談することをお勧めします。

相続人申告制度ができたと聞きました。どういうものか教えてください。

相続登記がされないために、登記簿を閲覧しても所有者が分からない「所有者不明土地」が増加したため、周辺環境の悪化や公共工事の施工に支障をきたすようになりました。そこで、令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。
(1) 相続(遺言も含みます。)によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
(2) 遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。
(1)と(2)のいずれも、正当な理由(相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケースなど)なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。
また、令和6年4月1日より以前に相続が開始している場合も、3年の猶予期間がありますが、義務化の対象とされました。
そこで、遺産分割協議がまとまりそうにない場合や、登記上の所有者の相続人が非常に多いために、相続登記に必要な戸籍関係書類の収集に時間を要する場合など、事情により期限内に相続登記をすることが困難な場合もありえます。このような場合でも簡易に義務を履行するために「相続人申告登記」という新たな制度が創設されました。
この相続人申告制度には、次のメリットがあります。
・ 自らが登記上の所有者の相続人であること等を期限内に申し出ることで、相続登記義務を履行できる
・ 特定の相続人が単独で申出をすることができる(他の相続人の分も含めた代理申出も可能)
・ Web ブラウザ上でも手続が可能(電子署名は不要)
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/mtouki/
・ 法定相続人の範囲・法定相続分の割合の確定が不要(提出書類も少ない)
・ 登録免許税がかからない

というものです。
但し、次の事項について留意してください。
・ 権利関係を公示するものではないため、相続した不動産を売却したり、抵当権の設定をしたりするような場合には、別途、相続登記をする必要があります。
・遺産分割に基づく相続登記とは別のものです。
・住所氏名が登記簿に記載されることから、固定資産税について課税庁から相続人代表としての地位を求められたり、相隣関係でも樹木の管理などの保存行為を求められる可能性があります。

申告の手続きや必要な書類など詳細については、法務局(登記所)の登記官や最寄りの弁護士会や司法書士会に相談、確認されることをお勧めします。

相続登記に必要な書類を教えてください。

相続登記に必要な書類は、概ね次のとおりです。
・故人の住民票の除票または戸籍の附票(一定期間を経過すると廃棄されていることがあります。)
・故人の出生から死亡までの戸籍謄本
・各相続人の戸籍謄本
・各相続人の住民票
・各相続人の印鑑証明書
・不動産の固定資産評価証明書(固定資産税の通知書は不可のようです。)
・不動産の登記事項証明書
・個人と相続人の関係図
・遺産分割協議による相続の場合には遺産分割協議書
・司法書士などに登記手続きを依頼した場合には委任状

場合によっては追加資料が必要な場合がありますので、事前に法務局の登記官や司法書士に相談するようにしてください。

本年8月に父親が死亡し、また母親は既に5年前に死亡しています。私は一人っ子です。 郵便物を整理していたら、本年5月に父親あてに来ていた父親が所有し住んでいた住所地とは別の市町村からの固定資産税の納税通知書がありました。相続財産(土地、建物について、どのように調べていけばよいでしょうか。

まず、不動産に関していえば、登記簿に記載されている内容(誰が、何を)を確認する必要があります。
そこで、亡くなられた父親の住んでいた住宅についての登記簿を確認しましょう。
さらに、他の市町村からの固定資産税納税通知書記載の場所の登記簿を確認しましょう。
ここで重要なのは、課税通知書には記載されていない土地、例えば私道部分があったりするので、地元の固定資産税課等に赴いて同一氏名などによる「名寄せ」をしてもらうことです。
登記簿に記載されている所有者(登記名義人)が誰か、についても確認してください。父親名義であればいいのですが、仮に祖父名義であると、祖父名義の財産への法定相続人(父親の兄弟姉妹や甥姪など)の数が増える可能性が高くなります。
この場合、何故登記名義人でもない死亡した父親宛に固定資産税の課税通知書が来ていたのか、という事ですが、おそらく宛名欄に「相続人代表」というように書かれているのではないでしょうか。
つまり祖父名義の土地などについて、遺書がなく遺産分割協議が整わなかったり、或いは法定相続人の持分共有といった相続登記手続が面倒(登記手数料が固定資産税評価額の0.4%必要)といった理由からか、登記名義人の変更登記が行われなかったのではないでしょうか。その後、固定資産税の課税庁が戸籍などによる調査を行い、父親宛に相続人代表の申出書の提出を求めてきたので、これに応じたのではないか、と推察されます。
いずれにせよ、祖父名義の財産に関する法定相続人を特定する必要がありますから、まず、祖父の戸籍を取り寄せてから、さらにその子や孫などについて調べていくことになります。
現在、相続登記の申請は義務化されています。
相続によって不動産を取得すると知った日から3年以内に相続登記をしなくてはいけません。もし、正当な理由なく相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料が科せられる可能性があります。
今の時代は、他人の戸籍を入手することは難しくなってきていますので、弁護士や司法書士に依頼することを考えてください。

令和7年〇月に62歳の母親が亡くなりました。相続人は、私(長男)と次男の2人です。 母親は、X金融機関から金銭消費貸借契約を20年前に結んで自身名義の住宅に居住していました。ローンの残存期間は15年で、その残債額は○○〇〇万円です。どこから手を付けていいか、わかりません。

まず、被相続人である母親名義の現金、預貯金、株式や不動産といった相続財産について金融機関、証券会社や法務局などで確認し、そのほか、お尋ねの住宅ローンの残債額も確認します。
その上で、相続するのか、或いは限定承認や相続放棄するのか、を検討することになるでしょう。
ここで、注意すべきは、母親が交わした住宅ローンについて、団体信用生命保険(団信※1)に加入していたか、どうかです。
死亡時点で団信に加入していれば残債額はゼロになって、相続人はそのまま住宅を取得、居住することができますが、ただし、団信に未加入や途中解約していると残債額がそのまま残ることになり、これを相続人が相続することになってしまいます。
つまり、住宅ローンのある被相続人が死亡したときは、相続した相続人には残債額を返済する義務がある、ということです。この場合には、金融機関はこの残債額を一括返済するよう求めるというのが一般的のようですし、場合によっては、ローンの残債額を引き継ぐこと(免責的債務引受※2)ができることもあります。
なお、相続人がローン契約を希望する場合は、新たにローン審査を受けることになるでしょう。
そして、この債務を一括返済できないか、もしくはローン審査が通らない場合には、金融機関は、設定した抵当権を実行、つまり、住宅が競売に付されるとことになる、と思われます。
いずれにせよ、金融機関にあらかじめ相談や確認することをお勧めします。
※1 団体信用生命保険とは、住宅購入の際にはローンを組むのが一般的です。この住宅ローン契約者が、死亡または所定の高度障害状態といった状態になったときに、生命保険会社がローン契約者に代わってローン残高相当分の保険金を金融機関に支払う保険です。
生命保険会社の各社では、ガンなどの重い疾患にり患した際に保険金を支払うといった特約の付いた生命保険制度を運営していますので、こうした特約内容についてもよく確認や理解しておくことが必要でしょう。
※2 免責的債務引受とは、債務者から債務引受人にその債務が移転することにより、その債務者は債務を返済することを完全に免除されることをいいます。
なお、債権者の承認なしにこの債務の移転契約を締結することはできません。(民法第472条)

令和7年〇月に母親が亡くなりました。 私は相続放棄をすることとし、相続放棄申述書を○○家庭裁判所に提出、受理されています。相続人は私しかいません。 先日、母親が賃貸借していた住宅(私は別の住所地に住んでいます。)の貸主から、当該住宅内にある残置物を処分したいので、その承諾書を提出してもらいたい旨の書面が届きました。 どうしたらいいですか。

2023年4月から民法が改正され、次のようになりました。
「相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第952条第1項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。」
つまり、管理する義務者を『現に占有』している場合だけに限定されることとなりました。この『占有』については、相談者のように被相続人の住宅に同居していなかったことから「占有していない」とも考えられますが、そのほかの要件などから保存義務を負わないとは、必ずしも言えないように思われます。
お尋ねの母親が居住していた住宅の残置物ですが、これは相続財産に該当すると考えられます。そこで、母親が居住していた住宅内にある残置物については既に所有権を放棄している状態ですが、そのことを知らない貸主が残置物を自由に処分することには異議を述べない、つまり承諾する旨を内容とする書面の提出を求められているわけです。
母親の残置物が全てゴミのような無価物であれば承諾書を提出してもいいでしょうが、実際はそれなりの価値、つまり換価できるものが存在することが一般的でしょう。この場合に承諾書を提出すると、勝手に相続財産を私消したことになると思われますから、たとえ放棄後とはいえども単純承認(民法第921条三号)したということになりかねません。
そこで貸主側への相続放棄通知や相続財産清算人の選任などについて、あらかじめ弁護士に相談することをお勧めします。
なお、最近の賃貸借契約の特約として、入居者死亡時における残置物の所有権放棄と処分依頼を織り込んだものが見受けられます。