管理組合
- 管理組合費等を滞納している人に対しての督促方法について、教えてください。
未納の組合員の第一次督促として、電話又は文書による督促をし、第二次督促として、訪問又は督促状の送付、第三次督促として、管理組合の名義で内容証明等による督促を行います。その後、裁判所への支払督促の申し立てや弁護士等への相談・依頼を行います。
- マンションの地震対策について、教えてください。
地震への備えとして、普段より建物の内外をチェックし、危険箇所を発見し、早めに補修することが大切です。 管理組合が備えて置くものとして、工具類やスコップ・バール等が考えられますが、いざという時にすぐ役立つよう、チェックして置くことが必要です。 組合員・居住者の名簿、緊急時の連絡先名簿の把握や避難の方法、避難場所の確保なども決めておく必要があります。
- 現在の管理会社に不満なので、管理会社の変更について教えてください。
管理費用の多寡やサービス内容の面で折り合わない場合、管理会社を変更するのも選択肢の一つです。管理会社との契約を解除するには契約書の解除の項目を確認しつつ、管理費の安さだけにとらわれず、委託する業務内容や入居者のニーズも考えてメリットとデメリットを十分に考慮したうえで行うことが大切です。
- 近隣の部屋からの騒音問題の対応について教えてください。
隣家の楽器演奏や階上の足音など生活騒音のトラブルはマンションで起こり易く深刻化しやすいものです。当事者同士で解決できない場合、理事を交えて両者の話を聞き妥協点を提案します。騒音の大きさや時間が常識外であれば、区分所有法の有害行為や共同の利益に反する行為になるので騒音測定器での客観的データを示して改善を提案する方法もあります。
- 総会に出席する人が少ないので増やす為の方法を教えてください。
管理組合としては、組合員が管理組合運営に関心を持ち総会での多くの組合員の出席で活発な意見交換が行なわれ、また白紙委任ではなく議決権行使が行なわれるよう工夫が必要です。例えば、多くの組合員が出席できるような適当な場所・時間の設定、開催日時の早期の決定、理事会議事録の配布・広報誌の発行等住民と管理組合との意思疎通を深める機会を工夫することなどがあります。
- 組合員名簿等の個人情報の取扱いにどのような対応が必要ですか。教えてください。
平成29年5月に個人情報保護法が改正され、これまでマンション管理組合には適用されなかったところ、個人情報の数の枠が撤廃され5千件以下でも適用されることになりました。組合員名簿は管理費徴収、総会招集通知の送付、災害時の安否確認時などに必要なため作成、保管、閲覧等が標準管理規約で義務付けられています。データの漏洩、滅失、毀損の防止や安全管理に必要な措置を講じなければなりません。
- 中古の分譲マンションを購入することになりました。管理組合があると聞いたのですが、どういう団体ですか?また、加入しなくてもよいですか。
一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、その部分の所有権を「区分所有権」といい、この区分所有権を有する者を「区分所有者」といいます。
そして、区分所有者が複数となったときに、すべての区分所有者が参加して、建物やその付属施設などを維持・管理していくための団体を設立することになります。
この団体のことを、マンション管理適正化法では「管理組合」といいます。なお、区分所有者にとっては管理組合へ加入することが義務ですし、また、脱退することはできません。- 区分所有者から、マンション管理組合の修繕積立金を返してほしいので、マンションの管理組合を解散してはどうか、と尋ねられました。解散することはできますか?
区分所有法には、管理組合法人の解散に関する規定はありますが、管理組合の解散については規定されていません。まず、管理の対象となる建物が建替えなどで取り壊すことにより滅失する場合は、管理組合が当然解散することになるでしょう。しかし、建物が存在する場合は、これを管理することは区分所有者全員の義務ですから、仮に管理組合の解散を総会で議決したとしても、管理する団体を何らかの形で設けなければならない、ということです。
管理組合として形式上あるいは名目上の解散はできるかもしれませんが、実質的には、建物管理するための団体を区分所有者全員によって別に構成・設立しなければなりません。
区分所有法第三条は「区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。」と規定しています。「管理を行うための団体を構成し、・・できる。」とあるのは「団体を構成することができる」と読むのではなく、「区分所有者は、全員で、・・・管理を行うための団体を構成し、」でいったん文脈は切れる、つまり「必ず団体を構成しなければならない」と解するものとされています。
その意味では、強行規定ともいえますので、管理組合の解散を集会で議決したとしても、この議決は無効であり、管理組合を解散することはできない、ということになります。以上、任意団体である自治会や町内会あるいは同窓会や親睦会への加入は任意であって、また自由に解散することができることと異なり、管理組合については区分所有者が必ず加入することを法律で定められていて、かつ建物が存在する限り解散することはできない、ということです。
- 私の住むマンションでは賃貸する方が増えたり、また、高齢化により役員を辞退する人が増えてきています。そうした場合には、管理人をおいてはどうか、と知人から言われました。管理組合の「管理者」の役割を教えてください。
区分所有法第26条では、「管理者は、共用部分や当該建物の敷地及び附属施設を保存し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。」としています。
つまり、管理者は区分所有者全員を代表(代理)してマンションの管理を行うわけで、区分所有者の共有に属する共有部分、建物の敷地及び附属施設を保存する行為を単独で行うことができます。
また、年1回の集会(定期総会)を招集して組合事務を報告することが求められ、総会の決議や規約に基づいた行為などを実行する義務があり、その他議事録や管理規約を保管し、規約や総会の議決に基づいて訴訟等の原告または被告になることができます。- マンション管理組合の「管理者」はどういう人が務めることができますか。
多くの管理組合では理事長が管理者になりますが、最近では、区分所有者以外の外部の人・法人を管理者として総会の議決により選任することも増えてきています。
これは、輪番制の役員制度を取っている管理組合では、区分所有者が高齢を理由に理事等に就任することを断るといったケースが増え、また賃貸化する住宅も増えていることから、いわゆる「役員のなり手不足」という状況が出現しています。そこで、外部の者、例えば専門家である管理会社やマンシヨン管理士を理事等に就任できるように規約を改正する管理組合もあります。
管理者についても同様に管理業務を外部に委託することで、より円滑な組合の運営を図ろうとする管理組合も増えてきています。
つまり、管理者には、規約に定めた要件に合致し、集会で選任の議決をすれば、法人でも、個人でも管理者の職に就くことができます。- 管理組合理事長が独断で物事をすすめてしまい管理組合運営に支障をきたしているので辞めさせたいのですが、どのようにしたらいいですか。
マンション管理組合において、理事長や役員が暴走してしまうと運営に大きな支障が生じます。理事長が管理組合を私物化してしまうようなことがみられる場合には解任を検討しなければなりません。
【方法1】理事会で議決する(解職)
理事会での議決によって、理事長を「解職」させることが可能です。議決に要する賛成数が定まっていない場合、基本的には出席者の議決権過半数での議決になります。解職された理事長は、通常の理事に戻ります。
これは2017年に最高裁判所で行われた、理事会による理事長解任の可否をめぐる裁判の判決によって、可能だと明確化された方法です。
判決の理由は、裁判の対象となった理事長が理事の互選により選任された人物であったため、反対に理事会での決議により理事長の職を解くこともできるというものでした。そのため、この方法で理事長を辞めさせる場合は「理事の互選により理事長を選任する」と管理規約で定められているマンションである必要があるでしょう。【方法2】組合員が招集する総会で議決する(解任)
総会で理事長の「解任」を議案とし、議決することで理事の職位そのものを解くことが可能となります。総会の開催は基本的に理事長が行うものですが、他の組合員でも、組合員総数における5分の1以上及び議決権総数の5分の1以上の同意があれば理事長に開催の請求が可能です。理事長は、請求から2週間以内に招集通知を送る必要がありますが、何らかの事情で通知が発せられない場合は、請求者が総会の招集をすることができます。総会を招集する請求者は、通常なら理事長が行うはずの組合員名簿の確認、出席票・委任状・議決権行使書の徴収といった実務を、自ら担当しなければなりません。なぜなら総会では理事長解任の可否が議案となるため、理事長が実務を自ら行うことは考えにくいからです。【方法3】監事による臨時総会で決議をとる(解任)
監事は理事会や他の組合員の承認を得ることなく、総会の開催を理事長に請求できます。一般の組合員が招集する総会と同様に、理事長の「解任」を議案として決議することで、理事長を辞めさせられます。
ただし、請求は理事長の不正やその恐れがある行為を認めたときに限ります。
そのため、総会開催の根拠が不確かなまま招集してしまうと、開催議案や表現によっては中傷と捉えられ、理事長から提訴される恐れがあるので注意しましょう。【方法4】裁判所に解任を訴える(解任)
区分所有法の第25条に基づき、理事長が違法行為をしていたり、精神異常といった職務を行うに適さない事情があったりする場合、理事長の「解任」を裁判所に請求することができます。- マンションの管理組合の役員をしています。連絡がつかなくなった区分所有者の契約している駐車場区画に自動車が、1年以上放置されており、困っています。勝手に処分すると個人の責任となってしまうようなことも聞きました。撤去するための手続きを教えてください。
マンションの管理組合として、放置自動車を撤去するための手順については、まず、放置自動車の状況を詳細に調査し、写真を撮るなどして記録を残します。車両の位置、状態、ナンバープレートの情報などを詳細に記録します。警察に相談することも考えられます。
また、車両のナンバープレートから陸運事務局などで所有者(使用者)の情報を確認し,所有者等が判明した場合、その所有者等に対して車両を撤去するよう書面で通知します。通知書には、撤去を求める理由と期限を明記し、証拠として残るようにします。
所有者等が判明しない場合や連絡が取れない場合、マンションの共用部分や掲示板に公告を掲示します。公告には、一定期間内に車両を撤去しない場合、管理組合が撤去手続きを行う旨を明記します。
所有者等が対応しない場合や所有者等が判明しない場合、管理組合は土地所有権に基づく妨害排除請求訴訟を裁判所に提起し、勝訴判決を得て、強制執行することとなります。弁護士に相談し、適切な法的手続きを進めることが重要です。
法的手続きが完了した後、専門業者に依頼して放置自動車を撤去します。撤去費用は、所有者等に請求するか、管理組合が負担することになります。
放置自動車の撤去を決定した場合は、マンションの全住民に通知し、透明性を保つことが重要です。
放置自動車が再発しないように、マンションの規約を見直し、駐車場の利用規定を厳格にするなどの対策を講じます。- 地震等によるマンション被害として、想定されるものはどのようなものがありますか。
さまざまな被害が想定されますが、一般的に次のようなことが想定されます。
○エレベーターが使えなくなる、緊急停止、閉じこめの発生。
○排水管が損傷を受けると、トイレが使えなくなる。
○照明、機械式駐車場、入口のオートロックなど共用設備が使えなくなる。
○受変電施設の機能停止。
○躯体・外壁の損傷やガラスなど落下物の発生
などです。
マンションは、規模や築年数などの違いにより個別のリスクが存在します。
住民参加型の防災訓練を企画するなど入居者同士のコミュニケーションをはかり、想定されるリスクについて話し合う機会を設けることも必要です。- 【管理組合等の滞納対策】分譲マンション管理組合の理事長をしています。管理組合等の滞納対策について、伺います① 時効及び支払いの催告など 区分所有者が居住していたのですが、5年前に引っ越しをし、当該住戸は空き家になっていて、今は誰も住んでいません。管理組合費や修繕積立金は当該区分所有者名義の口座からが引き落とされていましたが、2年前から振り込みがなくなり、以来滞納が続いています。管理会社からは、その都度、転居先に電話や郵便による督促をしていますが、「銀行からの借金があり、管理組合費等についての支払いは困難だ」。という返答です。今後、管理組合として、どういう対応をしていけばいいですか。
A―① 管理組合費や修繕積立金は、これまで裁判例により民法169条に規定される定期給付債権に当たるとされていたことから、2020年の3月末日までは消滅時効を5年間とされていましたが、2020年4月1日施行の改正民法では債権一般の消滅時効として166条で次のように定められました。
改正民法第166条
1 債権は、各弁済期から十年間行使しないときは、消滅する。請求できることを知った時から五年間行使しないときも、同様とする。
つまり、管理組合費等の納入期限から5年ないし10年を経過すると、時効が完成するので、その滞納金を請求できなくなってしまいます。
一般的に、改正民法150条の規定による催告(管理組合が区分所有者に対して、滞納している管理組合費等の支払いを求める書面を送付すること。)をすると、その時点で時効の完成が猶予(催告書面が到達した場合に6か月間は時効の完成が猶予されます。しかし、この催告を繰り返しても時効の完成を引き延ばすことはできません。)されます。
時効が完成する1か月前に催告すれば、6か月は時効の完成を引き延ばすことはできますが、その7か月間のうちに法的手続きを行う必要があります。
あるいは、区分所有者が管理組合費等の支払いを協議することの合意(書面によること)も時効完成の猶予となりますし、また、管理組合費の支払いを改正民法168条2項による承認書の交付があったときも時効が更新(承認した時点が時効期間の起算点となります。)されます。
改正民法第168条
2 定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。
本件の場合は時効完成までに相当の期間があるので、まず、配達記録付き内容証明郵便で区分所有者に滞納している管理組合費等の支払い及び支払いがない場合には法的措置を講ずる旨の催告を行い、その後は、支払督促や少額訴訟、差押などの裁判上の請求といった法的手続きの実施に向けて、弁護士に相談されることを勧めます。
なお、管理組合規約に遅延損害金の規定があれば、その規定に定める率を乗じて得た額を、規定がなければ、民法404条3項の規定(3%、法令により3年ごとに見直されます。)に従い請求することができます。
さらに、遅延損害金と併せて、「違約金としての弁護士費用等並びに督促及び徴収に要する諸費用も加算して請求できる(標準管理規約60条2項)」ことも規定しておくことも考えられます。
また、理事長がこうした訴訟提起などを行うことができる、とする管理組合規約に予め規定しておくとよいでしょう。- 【管理組合等の滞納対策】分譲マンション管理組合の理事長をしています。管理組合等の滞納対策について、伺います② 区分所有者死亡とその相続人が所在不明である場合 区分所有者が1人で居住していたのですが、2年前に死亡しました。管理組合費や修繕積立金は当該区分所有者名義人の口座からが引き落とされていましたが、死亡した翌月分の管理組合費から振り込みがなくなり、以来滞納が続いています。相続人である区分所有者の長男に滞納の事実と督促の連絡をしていたのですが、やがて長男あての郵便物は転居先不明で返送されるようになりました。現時点での滞納月数は21か月です。なお、当該住戸の登記簿における区分所有者は、死亡した者の名義であり、相続登記はされていません。今後、管理組合として、どういう対応をしていけばいいですか。
A-② まず、長男以外にも相続人がいるかどうか、の調査が必要です。
被相続人である区分所有者の住民票や戸籍謄本(改製原戸籍)で、調べることができます。
長男以外の相続人がいれば、相続財産は、相続人全員の共有が原則ですから、その者にも案分した割合で滞納家賃等を請求することになります。
しかし、相続人の所在が不明な場合は、住民票を管轄していた市町村への照会(転居を繰り返していた場合には、その都度)や調査事務所へ依頼して調査を行っていくことになります。
こうした相続人が行方不明であることを証する書類を作成の上で、区分所有法7条の先取特権による当該住戸の差し押え、競売、配当金交付要求といった手続きをとることで、未払いとなっている管理組合費等を回収していくことになります。
手続などについては、相当な法律知識と細かな実務経験が必要なので、早めに弁護士に依頼することを勧めます。
なお、住宅ローンなどで抵当権が設定されている場合がありますが、そうした場合の多くは抵当権設定登記の日の方が早いので、その場合は、先取特権としての管理組合費等よりも抵当権の方が優先されるでしょう。さらに、多くの場合は、抵当権設定と併せて団体信用生命保険に加入している場合もあるので、こちらの確認をすることも大切です。
※ 先取特権とは、「法律で定められた債権を有する者が、他の債権者に優先して弁済を受ける権利」です。先取特権は、抵当権や質権などと同様に優先的弁済を受ける権利ですが、先取特権は「民法」で規定されている権利であって、抵当権や質権は契約等を交わすことで成立する権利です。
【区分所有法7条】
一 区分所有者は、共用部分、建物の敷地若しくは共用部分以外の建物の附属施設につき他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産の上に先取特権を有する。管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権についても、同様とする。
二 前項の先取特権は、優先権の順位及び効力については、共益費用の先取特権とみなす。
三 民法(明治二十九年法律第八十九号)第三百十九条 の規定は、第一項の先取特権に準用する。※ 管理組合費等の滞納が区分所有者死亡以前のものの場合は、相続人が複数いて遺産分割協議が整っていないときは、法定相続相当分で分割して各相続人に請求することになります。
管理組合費等の滞納が区分所有者死亡以後のものの場合は、相続人が複数いて遺産分割協議が整っていないときは、全ての相続人に対して全額を請求できます。- 【管理組合等の滞納対策】分譲マンション管理組合の理事長をしています。管理組合等の滞納対策について、伺います③ 相続人が相続放棄の陳述書を家庭裁判所に提出した場合 ある住戸の区分所有者が死亡したのですが、緊急時の連絡先として管理組合に届出のあった区分所有者の子供に確認したところ、その全ての相続人が相続放棄の手続をした、との返事でした。なお、区分所有者が死亡した翌月までの管理組合費や修繕積立金については、区分所有者名義人の口座から引き落とされていました。今後、管理組合として、どういう対応をしていけばいいですか。
A-③
まず、相続人を特定する必要があります。
本件の場合には、相続人である区分所有者の子供から、「相続放棄の申述をし、相続を放棄した」ということですので、死亡した区分所有者(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、すべての相続人が相続放棄の申述書を提出していることを照会するか、相続人らに相続放棄の証明書の交付を求めることになります。
その結果、相続人がいないことが判明した場合は、相続財産管理人又は相続財産清算人が選任されていれば、同人に対して、未払いとなっている管理組合費等を請求していくことになります。
もし、相続財産管理人又は相続財産清算人が選任されていなければ、上記家庭裁判所に選任の申し立てる(相当額の予納金の納付を求められる)ことが考えられます。この場合、選任された者に対し、先取特権として管理組合費等の支払いを求めていくことになります。
いずれにせよ、相続放棄の陳述の照会や申立などの手続を含め、弁護士への委任を考えた方がよいと思われます。- マンション管理適正化診断サービスについて
マンション管理適正化診断サービスは、一般社団法人日本マンション管理士会連合会(日管連)による制度です。マンション管理組合の申込みに対し、日管連所定の研修を受けたマンション管理士が管理状況の診断を行い、レポートの提出を受けられます。
この制度のメリットは、無料で国家資格者のマンション管理士の診断を受けられることです。
もう一つとしてのメリットは、診断結果に応じて、日管連と提携保険会社のマンション損害保険の割引を受けられる場合があることです。
保険料の負担が課題となっている管理組合、専門家による管理状況の評価を受けてみたいとお考えの管理組合は、検討してみてください。- マンション管理計画認定制度とマンション管理適正評価制度の特徴や認定を受けるメリットはなんですか。
マンション管理計画認定制度とマンション管理適正評価制度の違い、認定を受けるメリットについてそれぞれの違いや特徴、認定を受けるべきかどうかについて説明します。
1. マンション管理計画認定制度
令和2年6月に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」が改正(令和4年4月全面施行)され、「マンション管理計画認定制度」が創設されました。
「マンションの管理計画認定制度」とは、マンションの管理計画が一定の基準を満たす場合に、適切な管理計画を持つマンションとしてマンション管理適正化推進計画を策定した地方公共団体(市の区域にあっては当該市、町村部の区域内にあっては都道府県)の認定を受けることができる制度です。認定を取得することで、以下の効果が期待されます。区分所有者の管理への意識が高く保たれ、管理水準を維持向上しやすくなる
適正に管理されたマンションとして、市場において評価される
適正に管理されたマンションが存在することで、立地している地域価値の維持向上に繋がる
(出典 国土交通省「マンション管理・再生は新時代へ」)2. マンション管理適正評価制度
一般社団法人 マンション管理業協会が実施する制度で、第三者の専門家がマンションの管理状況を評価する仕組みです。星の数(1~5段階)で管理状況が評価され、外部からの客観的な評価が得られます。
認定を受けるメリットとしては、管理状況が見える化されるため、資産価値の透明性が高まり、第三者の評価によって、購入希望者や金融機関から信頼を得やすい。評価結果をもとに改善点を把握し、適切な対策が取れる。などがあげられます。3. 両方の認定を受けた方がよいか?
マンション管理計画認定制度は自治体からの認定を得ることで公式な評価が得られ、資産価値の維持に役立ちます。
マンション管理適正評価制度は、客観的な第三者評価により、透明性や改善点が把握でき、運営の効率化に寄与します。
両方の認定を受けることで、資産価値の維持と住民の安心感が大きく向上するため、可能であれば両方受けること検討されたらいかがでしょうか。- 先日の総会で監事を務めることにりました。前任者からまともな引継ぎがなく、管理会社担当者からは「次の総会前に会計監査をお願いします。」とだけ言われて、困っています。監事の役割を教えてください。
マンション管理組合における「監事」の役割は、①業務監査と②会計監査の2点となります。監事は理事会に出席しても決議に参加することは出来ませんが意見を述べることが出来ます。理事会の活動状況を見極め活発な意見交換の後押しをしてください。会計監査については、期を通した支出、具体的には個々の領収書等の内容等の集計が会計帳簿と相違ないかを確認して総会で会計監査報告を行います。また、①と②を行う過程で不正が認められた場合には、監事が、臨時総会を開催できる権限があります。
- 近い将来、老朽化マンションが増加していくと報道されていました。今後、私の住んでいるマンションも向き合わなければいけなくなる時期が来ると感じています。建替に向け何がハードルとなっているのか、また、どのようなことに注意していけば良いのか教えてください。
マンションの建替えの主なハードルとしては、次のようなことが考えられます。
①合意形成の難しさ
建替えには区分所有者の5分の4以上の賛成が必要ですが、所有者の高齢化や連絡が取れないケースが増え、合意形成が困難になっています。
②費用負担の大きさ
建替えには莫大な費用がかかるため、資金調達が難しく、住民の負担が大きくなることが問題です。
③法的・行政的な制約
耐震性不足などの理由で建替えが必要な場合でも、特定行政庁の許可が必要になるケースがあります。
④住民の生活への影響
建替え期間中の仮住まいの確保や、住環境の変化に対する住民の不安も大きな課題です。
マンションの老朽化問題は、住民の合意形成や資金計画が鍵となります。まずは管理組合で早いうちから話し合いを重ね、専門家の意見を取り入れながら最適な選択肢を検討することが重要です。日頃から、建物や付帯設備の修繕を適切に行い、マンション寿命の延命を図っていく事が現時点で現実的に行える対処策の一つではないでしょうか。- 自身の所有するマンションの管理組合の総会に出席し、日頃からの困り事について改善策の案を述べた上で決議を求めました。ところが、議事として取り扱ってもらえませんでました。総会の進行としておかしいのではないでしょうか。
総会で決議する事項はあらかじめ議案書にて通知した事項に限られていますが、規約で「あらかじめ通知した事項でなくても決議できる」という別段の定めがある場合に限って、特別決議事項でなければ決議できると区分所有法第37条で定められています。
従って、規約に別段の定めがなかったため、決議を断られたとのではないかと考えられます。
なお、特別決議事項とは、議決権の3/4以上を要する事項で、例えば①敷地や共有部分の著しい変更②規約の制定・変更・廃止等の他、議決権の4/5以上を要する建替え決議を指しています。- 近年気象状況に変化があり、自然災害等についてのニュースが度々報じられるようになりました。そこでマンションの管理組合として、防災対策について力を入れたいと思っていますが、参考になる資料等はありますか。
公益財団法人マンション管理センターで、マンション管理組合向けに「マンション防災対策事例集~事例から学ぶマンション防災の進め方~」をホームページで公開しています。マンション防災の基礎知識や近年の大規模災害とマンション被害の特徴、マンション防災の課題、留意点についての解説が記載されています。参考にされたらいかがでしょうか。
- 分譲マンションにおける災害対策について、管理組合としてどこまで取り組むべきでしょうか。また、住民の理解と協力を得るためには、どのような意思決定プロセスが必要になりますか。
マンション管理組合が行う防災活動は、区分所有法および標準管理規約に基づいて実施されます。特に、国土交通省が定める「マンション標準管理規約(単棟型)」第32条では、管理組合の業務として「防災に関する業務」が明記されており、耐震診断、防災訓練、備蓄品の整備などが含まれます。これらの活動を実施するには、理事会での検討を経て、総会での普通決議(出席者の過半数)または特別決議(区分所有者および議決権の3/4以上)による承認が必要です。防災活動は住民の生命と財産を守るための重要な取り組みであり、法令に基づいた計画的な実施が求められます。
- 分譲マンションの防災マニュアルを作成しようと考えています。どのような手順で進めたらよろしいでしょうか。
マンションの防災マニュアルを作成する際は、まず建物の構造や設備、居住者の構成など現状を把握し、災害時に想定されるリスクを整理することが重要です。次に、理事会の下に防災委員会を設置し、避難誘導、備蓄管理、安否確認などの役割を分担します。マニュアルには、平時の備え、災害発生時の対応、復旧期の行動などを盛り込み、図やチェックリストを活用すると実用性が高まります。作成にあたっては、自治体のハザードマップや他のマンションの事例を参考にすると効果的です。草案ができたら住民に配布し、意見を集めて改善を図り、総会で承認を得たうえで正式版として配布します。定期的な見直しと防災訓練を通じて、マニュアルの実効性を高めることが大切です。
埼玉県では、「マンション震災時活動マニュアル作成の手引き」をHPに掲載していますので参考にしてみてください。- 分譲マンションの防災訓練の実施頻度に決まりがありますか。また、住民の参加を促すにはどうすればよいでしょうか?
マンションの防災訓練は、消防法により年1回以上の実施が義務付けられており、複合用途の建物では年2回以上が必要です。理事会や防災委員会が建物の構造や居住者の特性を踏まえて内容を決定します。
地域の消防署に相談するなどし、避難誘導や初期消火、安否確認などを含め、実効性のある訓練を企画しましょう。
告知は掲示板や回覧、SNSなど複数の手段を活用し、高齢者や子育て世帯も参加しやすい雰囲気づくりが重要です。- 分譲マンション管理組合の防災力を高めるため、地域の自治会や町内会との連携が大切だと考えていますが、どのようにすすめたらよいでしょうか。
マンション管理組合と地域の自治会や町内会との連携は、地域防災の視点からとても大切なことだと考えられます。
自治体主催の防災講習会や会合にマンション管理組合の役員(住民)が積極的に参加し、地域の人たち交流する機会をつくることからはじめてみたらいかがでしょうか。さまざまな情報交換を行い、合同訓練の実施するなど協力体制を築くことで、災害時の支援や連携が円滑になるのではないでしょうか。災害時には、地域の連携が防災力を高める鍵となります。- 分譲マンションの防災対策を進める場合、どのように費用を準備し、その内容等についてどのように決定していったらよいでしょうか。
マンションの防災対策にかかる費用は、通常、管理組合の修繕積立金や管理費から支出されます。備蓄品の購入や防災訓練の実施など、比較的少額の支出は理事会の承認で対応可能ですが、大規模な耐震改修や設備更新など高額な事業は、総会での決議が必要です。準備段階では、理事会で防災計画や予算案を検討し、必要に応じて専門家の意見を取り入れます。その後、総会で提案し、組合員の理解と賛同を得ることが重要です。一部の自治体では、分譲マンションの防災設備や備蓄品の購入に対して補助金制度を設けている場合がありますので、市町村役場のHPも確認してみてください。周知方法としては、掲示板や回覧、定期的な説明会を活用し、目的や費用の根拠を丁寧に説明することで、合意形成を図ります。防災は全住民の安心に直結するため、透明性と参加意識を高める工夫が求められます。
- 分譲マンション内に備蓄すべき防災用品は、どの程度の量と種類が必要とされるのでしょうか?
防災備蓄は、災害時に外部支援が届くまでの自助期間を想定し、最低3日分、可能であれば7日以上の備えが必要です。備蓄品はマンション管理組合と各家庭で役割分担するのが基本です。管理組合は共用部の安全確保や住民全体の支援を目的に、担架、発電機、簡易トイレ、誘導灯、防災倉庫などを備えを検討しましょう。
一方、各家庭では飲料水、食料、携帯トイレ、懐中電灯、常備薬など、個人の生活維持に必要な物資を準備します。
この区分を明確にし、住民に周知するためには、防災マニュアルの整備や掲示板・回覧板の活用、防災訓練の実施が効果的です。管理組合が中心となり、住民の理解と協力を得ながら、災害に強いマンションづくりを進めることが重要です。- 令和8年4月1日施行の新区分所有法により導入されるマンション管理円滑化とはどんな内容ですか。
新区分所有法では、マンション管理の停滞を防ぐため複数の制度が導入されました。まず、総会決議の要件が緩和され、修繕など区分所有権の処分を伴わない事項は「出席者過半数」で決議可能となり、所在不明区分所有者の議決権を分母から除外できる仕組みも整備されました。さらに、管理業者が管理者を兼ねる場合の利益相反防止の説明義務や、裁判所選任の管理人による財産管理制度が新設され、所有者不明や管理放棄があっても建物の安全性を確保できるようになりました。これらにより、意思決定の迅速化と管理の安定性が大きく向上します。
国土交通省「マンション政策」ページ
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000040.html- 令和8年4月1日施行の新区分所有法により導入されるマンション再生の円滑化とはどんな内容ですか。
老朽化マンションの再生を容易にするため、従来の建替えに加え、新たに「建物・敷地の一括売却」「一棟リノベーション」「建物の取壊し」といった選択肢が導入されました。これらは建替えと同様に多数決で決議可能となり、原則は区分所有者の4/5以上、耐震不足の場合は3/4、災害時は2/3で決議できます。これにより、従来困難だった再生手法が柔軟に選べるようになり、老朽化や災害リスクに直面するマンションでも迅速な対応が可能となります。資産価値維持と居住環境の安全確保に直結する重要な制度です。
改正法に抵触する規約は施行日以降自動的に無効となり、総会運営に混乱や決議の無効リスクが生じます。
各管理組合は国交省改正「標準管理規約」を参考に、早急に規約改正を行う必要があります。国交省 改正マンション関係法の施行に伴う関係政令を閣議決定ページ
~令和8年4月1日の施行にあたって必要な規定の整備を行います~- オートロックのマンションへの不審者の侵入のトラブルへの対応について、管理組合の対応としてどのようなことが考えられますか。
オートロック付きマンションであっても、不審者の侵入トラブルは「共連れ」や「なりすまし」によって発生する可能性があります。対応の基本は、まず居住者自身の安全確保です。不審者を発見しても直接対峙せず、距離を取り安全な場所へ避難することが重要です。そのうえで管理人や管理会社へ速やかに連絡し、防犯カメラ映像の確認や警備会社との連携を依頼します。危険行為が認められる場合は迷わず警察へ通報し、住所や状況を正確に伝えることが求められます。さらに、住民同士で情報を共有し、掲示板やメールを通じて注意喚起を行うことで再発防止につながります。予防策としては、防犯カメラや照明の強化、インターホン録画機能の活用、知らない人物に安易に解錠しない意識付けが有効です。オートロックは万能ではないため、住民の防犯意識と迅速な対応が侵入防止と安全確保の鍵となります。
- 中古マンションを購入し住み始めました。この度マンションの管理組合の理事長になることになりそうです。築年数が30年のマンションで、これまで管理組合の理事長が長年固定化していたようで、運営が不透明に感じました。 透明性のある運営体制や、役員のなり手不足への対応策を今後のために知りたいです。
管理組合の役員が長年同じ方に固定されていると、運営の透明性や公平性に不安を感じることもあると思います。まずは総会や理事会の議事録をきちんと作成・公開し、情報共有を徹底することが信頼回復の第一歩です。また、役員のなり手不足については、役割の負担感が大きいことが原因となっている場合もあります。役員の業務を分担したり、外部専門家の活用を検討することで、負担を軽減し、参加しやすい環境を整えることができます。さらに、役員の選出方法や任期についても、管理規約を見直すことで改善が図れる場合があります。住民全体で「自分たちの住まいをどう守っていくか」を話し合う機会を設けることが、健全な管理組合運営への第一歩になります。
